資金管理事務局で資金を管理している人のことを「資金者」と言われている。
私もこの仕事を始めたばかりの頃は、「資金者」ということを聞いて、あまり不慣れな言葉だなと思っていた。
しかし、日本には資金者と言われる人が数人いる。数人の資金者は、日本の国家に対して大きな資金を提供する立場であることは事実である。
日本の本当の金融の仕組みということが理解できてくれば、ある意味、不思議な体系によって成り立っている。
国家より、資金者と言われる個人の方が大きい資本を持っているのである。
ある意味、日本は資金を提供する資金者によって成り立っている国家だということが言える。
資金者自身が金を儲けているわけではない。資金者は、資金を管理する立場の人である。資金は、どこからやってくるかは、それは、多くは海外からやってくる。
資金の提供元は、欧米に多くは存在している。
アメリカは、世界銀行、IMFなどの運用益からなる資金、また、ヨーロッパからは、ロイズなどの保険金の運用資金など、世界中で運用されている資金が、日本に流れこんでくる仕組みになっている。
日本になぜ、世界から資金が流れ込んでくるのかと疑問に思うかもしれないが、日本は、ある意味、資金運用をする機関への原資になる財源を提供した国家として、その資金が日本に流れ込んでくる仕組みができあがっている。
現在は、外貨と日本円との通貨スワップを行うことで、財源にしている。
米ドル、ユーロなどの主要通貨と日本円は、無制限、無期限の通貨スワップ協定が結ばれている。
多額の外貨が日本円と通貨スワップをしても問題ないことになっている。また、為替による売買収益や、株式市場での長期運用による収益が財源になっている。
日本には、世界最大の財源をもった資金者と言われる人達がいることになる。資金者は、あくまでも資金を管理する立場で、MSA協定に記された条件のもとで資金を動かすことが許されるという立場である。
この資金は、財政法45条では、特別会計にある条件を満たせば、組み込む事ができるということになっている。
資金が動くタイミングで、民間用財源と公的財源を同時に引き出し、資金を確保することで、国にも資金提供し、国家財政を助けていることに成る。
すなわち、企業経営者がこの資金を委譲渡管理すると認めて、資金を委託したタイミングが、この資金が動くタイミングになる。
特別会計の関係者は、この資金が動くタイミングを待っているのは事実である。
すなわち、日本の指定企業の経営者が、「長期管理権委譲渡契約」を結ぶことを首を長くして待っている。
これは、企業経営者の思いもあるが、企業経営者以上に、国家財政及び、特別会計から出される世界への貢献資金としても必要性があるからである。