MSA資金から資金提供を受けることができる条件については、日本の重要産業企業の代表権者個人へ資金が提供できることになっている。
その審査基準について過去にこのブログでも何度も書いたが、東証一部、資本金100憶円以上、製造業、基幹産業企業に所属する代表権者個人、および銀行、信用金庫の代表権者個人になる。
前回ブログでも書いたが、現在は、これは、特殊な金融商材的仕組みによって、資金が提供されることになっている。
MSA資金は、国際流通基金といわれる巨額資金を管理しているファンドになる。そこから資金を先に受託者に渡す。しかし、ただ渡しているだけでは資金が目減りするので、受託した資金の50%は、受託者個人の使用枠になるが、残りの50%は、政府使用枠と再運用枠として、欧州で再度運用される。
仕組み的に言えば、これは、完全に金融投資案件になる。
ただ、通常の金融投資とは違うのは、通常の金融投資の場合には、投資者が自己資金をトレーダーに資金を預けて、数か月から数年運用を委託して、成功報酬で運用益からトレーダーに支払う手数料を差し引いて、戻ってくる利益が投資者の利益になるが、この案件では、イメージ的には、MSA資金の大きな財源から先に利益確定として大型の資金を受託者(投資者役)に支払われて、それ以外に別枠で運用用の資金も準備されて、優秀なトレーダーが株式市場などでトレードして投資運用するという仕組みである。投資運用された資金からまたMSA資金の財源として償還される。その循環により資金は、常に資金提供して資金を分配、一部を運用をかけながらMSA資金の財源を確保しているといえば、わかりやすいかもしれない。
すなわち、日本には、過去からの遺産として、米国からの支援やまた、皇室の金融財産などがあったことが、現在のMSA資金の基礎財源になっており、それを常に資金提供、資金分配、投資運用という循環型金融システムにより、資金を作りながら日本の国の財源として活用してきた。外貨運用する意味としても、外貨スワップ協定が結ばれている欧州やアメリカなど通貨の取引をすることで、日本は、外貨を確保し国内に流通できる資金を確保する仕組みがある。
特別会計の財源を支える財政法第44条による資金というものは、MSA資金を基礎財源として、資金分配、投資運用しながら財源を確保している。一般的に欧州の金融市場で運用されている財源であるので、国内で還流している資金として保管されていない。よって、国家予算外資金といわれる所以、および資金は、どこにあるのかということは、国内のどこかに銀行に保管されているものではなく、欧州の証券市場などで運用されている金融マネーであることが、第三の財源であるMSA資金の姿である。
この制度があることで、日本は、万一特別会計の財源が枯渇してもそれを補填する仕組みがある。特別会計に多数の積立金が存在しているが、それは、財政投融資などをおこなうための投資マネーの資本金である。特別会計においても株式市場で運用されている。しかし、万一、特別会計の財政投融資が大失敗して財源がなくなることがあれば、どこにも資金源がなければ、諸外国から資金を借りなければ、特別会計の財源を確保することができなくなる。それでは、日本は外国から借金を背負う国になり、非常に苦しい境地に追いやられることになる。しかし、それを未然に防ぐために、MSA資金の財源が欧州の金融市場などで運用されていることにより、万一、特別会計の財源不足になっても、MSA資金を活用できる立場の日本人がこの資金を必要だという理由があれば、特別会計に補填できる仕組みがある。
これは、先人が作った日本の素晴らしい遺産でもある。しかし、その金融投資の循環システムをほとんどの経営者が理解していないことで、資金の意味、活用方法、また、この資金をつかって、国家財政を助けることなど仕組みへの理解が大多数の関係者の方が理解していないことが、日本の財政難を招いている。財政難というのは、財政難を解決する方法を知らないだけで、知ってしまえば、そんな方法で国難といわれる財政難をクリアーできるならやればいいじゃないかということになるだろう。
すなわち、MSA資金については、非常に優れた金融資源であるといえるだろう。