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本ブログでは、国家予算外資金や簿外資金と言われる担保口座に存在する資産を活用した資金の活用方法は、世界の開発援助プログラムを裏で支える財源について、その実態について調べさまざま角度からブログで書いているリアリティーのあるブログです。シンクタンク MSA総合研究所の情報発信は、皆さんの知らない世界へ案内することです。Email: msasouken@gmail.com

 


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MSA資金の確認は、省庁で行えないー国際法で行っている案件である。

MSA資金の話をすれば、「この資金が本当にあるのか?」という疑問の声があがってきます。すこし、一般的常識から考えれば桁違いの資金のはなしであるから、そのような意見を言われるのが理解はできます。

中には、「私は、○○省の偉い方につながっているから調べるよ」などという人物にもいます。しかし、この資金の制度は、国連に登録された協定「日米相互防衛援助協定(MSA協定)」の中にある産業支援制度であるので、国際協定により行われている案件であるので、直轄が省庁でないことで、省庁関係者もほとんどがそのことについて知らないというのが現状です。

管理省庁に電話して聞いたが、「そんな話はわからないことだから、近づくな」と言われたなど言われた。ということで、「この資金は、所在がわからない」と言われます。

資金の所在は、このブログのテーマでもありますが、MSA協定の第5条における資金(簿外資金として積立金)になります。

MSA協定の資金を管理している組織は、個人団体から影響を受けない形で保管するという規定になっていますので、完全に独立した組織として存在しています。よって、省庁とのつながりがあっても、組織は独立しており、財源も独立してもっている積立金になります。

そのことを表向きに調べても省庁の中で見つからないの当然です。

隔離しているからです。

確認できない話は、「嘘だ」と決めつける人物も多く見受けますが、

ただ、こちらサイドから見れば「知らないだけ」という話になります。また、MSA資金に関する国会審議文は、現在ではインターネット上でも検索することができますので、事実確認をしないで「それは、ない」と決めつけるのは「勉強不足」というしかありません。

そのことによって、MSA資金についてマイナスな話を聞いて、MSA資金からの資金調達を諦めたというケースを何度も聞いています。

産業に対する援助制度であるので、援助される側の立場の方が信じないということになれば、この制度自体の存在価値がどうなるのか?という問題も上がってきています。

たしかに、活用件数が非常に少ない現実はありますが、省庁の言うことがすべてでないということが重要です。ましては、ある程度地位のある公人に聞いて、「知らない」と言われたことで「真実でない」と決めつける話をされる方もいますが、いくら偉い公人であっても、世の中のすべてのことを知っている事はありません。

機密性のある案件ではありますが、その財源の保管先については、非公開にすることになっていますが、産業支援制度については、関係者に伝達する際にお伝えすることは、何も秘密保護に関する問題はありません。

本来は、このMSA資金の産業支援制度は、「日本国民の民間人に伝達、交渉権を認めている」案件であるからです。

逆に、国際協定で規定されている内容で、「この資金の案件をだれであっても阻害できない」ということになっていますので、阻害する行為「マイナスになる意見を述べて、やめさせる行為」が実は問題行為になります。

これが、MSA資金に関する国際協定におけるルールです。MSA協定は、国内法でなく、国際法の観点から行われている案件になります。国際協定による規定です。

国際協定(国際法)は、国内法より重視しなければならいというルールがあります。

 

 

以下、MSA協定における国会審議における一部をコピーしました。

____________________________

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/019/0512/01904150512037a.html

第019回国会 本会議 第37号
昭和二十九年四月十五日(木曜日)
 議事日程 第三十四号
    午後一時開議
 第一 交付税及び譲与税配付金特別会計法案(内閣提出)
 第二 財政法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 国民金融公庫が行う恩給担保金融に関する法律案(内閣提出)
 第四 石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第五 石油資源探鉱促進臨時措置法案(内閣提出)
 第六 外国人登録法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 電波監理審議会委員任命につき同意の件
 日本電信電話公社経営委員会委員任命につき同意の件
 肥料取締法の一部を改正する法律案(本院提出、参議院回付)
 昭和二十九年度特別会計予算補正(特第1号)
 日程第一 交付税及び譲与税配付金特別会計法案(内閣提出)
 日程第二 財政法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 国民金融公庫が行う恩給担保金融に関する法律案(内閣提出)
 国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 石油資源探鉱促進臨時措置法案(内閣提出)
 日程第六 外国人登録法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
    午後三時二十三分開議
○議長(堤康次郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
○議長(堤康次郎君) お諮りいたします。内閣から、電波監理審議会委員に諸井貫一君及び横山英太郎君を任命するため本院の同意を得たいとの申出がありました。右申出の通り同意するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて同意するに決しました。
     ――――◇―――――
○議長(堤康次郎君) 次に、内閣から、日本電信電話公社経営委員会委員に新関八洲太郎君を任命するため本院の同意を得たいとの申出がありました。右申出の通り同意するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて同意するに決しました。
     ――――◇―――――
○議長(堤康次郎君) お諮りいたします。参議院から、本院提出、肥料取締法の一部を改正する法律案が回付されております。この際議事日程に追加して右回付案を議題となすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 右回付案を議題といたします。
    ―――――――――――――
○議長(堤康次郎君) 本案の参議院の修正に同意ずるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
 昭和二十九年度特別会計予算補正
 (特第1号)
○荒舩清十郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、昭和二十九年度特別会計予算補正(特第1号)を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(堤康次郎君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    〔倉石忠雄君登壇〕
倉石忠雄 ただいま議長より報告を求められました昭和二十九年度特別会計予算補正(特第1号)について、予算委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本予算案は、さきに可決されました昭和二十八年度一般会計予算補正(第三号)とともに、去る三月十五日予算委員会に付託されましたので、両補正予算案を一括し三二月二十人目審議が行われましたが、二十八年度の一般会計補正予算とは切り離して、本特別会計予算補正の審議は延期されて参つておつたのであります。MSA協定が議決されましたので、四月十三日より再び審議を開始いたしまして、活発なる審議が行われたのであります。
 本予算案は、去る三月三十一日本会議において議決されましたいわゆるMSA協定に基き米国政府より贈与を受けることになつております経済援助資金を処理するため、一般会計と区分いたしまして、経済援助資金特別会計を新設いたしたものであります。この新設に伴いまして、二十九年度の特別会計の数は合計三十三となりました。

【解説】

※MSA資金が作られたと同時に、特別会計の33の積立金が作られました。MSA資金(経済援助資金)→特別会計(33の積立金)の流れ すなわち財政法第44条の国は、法律をもって特別な資金を持つことができる。と記載されているが、法律というのが、MSA協定による資金です。


 次に、この特別会計の資金は、米国政府よりの贈与受入れ資金三十六億円及びこの資金の運用による収益金三千余万円、合計三十六億三千余万円を財源といたすものであります。この資金を投融資することによりまして、わが国の工業力を強化し、経済力を増強せんといたすわけであります。

 

また、この三十六億円の贈与受入れ資金につきましては、三月三十一日議決になりました米国余剰農産物買入協定に基き、五千万ドルの小麦を外貨を使わずに円資金をもつて買い入れ、そのうちの二割に当る一千万ドル、すなわち三十六億円の贈与を受けるのであります。しこうして、その三十六億円の使途につきましては、

 

政府側において目下慎重検討中でありますが、元来MSAに関連いたしたものでありますので、防衛産業に重点を置き、同時にこれに関連する基礎的工業力の増強に役立つものを目標としておるのであります。また、この資金の配分につきましては開発銀行が当ることに相なつておる次第であります。

 

【解説】

※ ↑ 資金の流れは、米国から援助(世界銀行経由)→日本開発銀行日本政策投資銀行)→対象企業


 以上が本補正予算案の要旨でありますが、これに対し真摯なる質疑応答が行われたのでありますが、まず第一に問題となりましたのは主MSA協定に基く小麦買入れの内外の経済的影響であります。米国の余剰小麦を買い入れることにより、従来の買付先であるカナダを初めとし、オーストラリア、アルゼンチン等は、これがために日本よりの買付数量が減少しはせぬかと心配しておるのであります。しこうして、この結果として親交関係に亀裂を生じ、これらの国々への日本からの輸出が減少する心配はないであろうかとの質問に対し、政府側より、この点はカナダが最も心配いたしておるのは事実でありますが、二十九年度の輸入食糧は大体百九十六万トンを予定いたしておりますが、MSA買付の分はこの計画の中に含まれております、すなわちMSA協定による小麦買付分は輸入計画数量のわく内で操作することになつておる、また昨年度は風水害等のため輸入数量はふえておりますが、平常化すれば、これらの国々からの買付がこれがために減少するようなことはないとの答弁であつたのであります。
 第二に問題になりましたのは買付価格の問題であります。わが国は国際小麦協定により割安の小麦を買いつけることができますが、MSA協定による買付分は米国の余剰農産物であり、しかも買付が義務づけられておることでもあるので、むしろ国際小麦協定価格よりもさらに有利な条件で交渉できるのではないかという質問に対しまして、政府側よりは、もちろん国際小麦協定価格より高い値段で押しつけるようなことはなく、少くとも日本に不利益なようなことをしいるごときことは断じてないという答弁がございました。
 第三の問題は、この援助は軍事援助か経済援助かという問題であります。一般国民は、MSA援助は経済援助と期待いたしておつたのでありまするが、実体は軍事援助が中心となつており、贈与を受ける三十六億円の使途は工業力の増強と経済力の漸増となつておるが、その内容がはつきりしておらないが、この使途決定は、日本側が自由にきめ得るのか、それとも米国の指示を受けなければならないのか、また、この資金の融資を受けた場合、その事業に対し米国からの影響を受けるのか、さらにまた、この特別会計経理方法が明示されておらないがいかんという質問に対しましては、政府側よりは、贈与を受ける三十六億円の使途は研究中でありますけれども、この資金はMSA関係のものであるから、これに関連した防衛産業及びこれに関連した基礎的なものあるいは施策といつた方面に投融資されるであろう、しこうして、武器、弾薬、艦艇、飛行機等にどのように配分するかは目下検討中でありますけれども、配分の基礎となるものは二十九年度の保安庁の発注品を中心として考えるであろうとのことでありました。
 

次に、この資金とアメリカとの関係でありまするが、贈与を受ける以上、日本側において自主的に自由にこの資金を使うことは当然であります、従つて、融資先の企業に対し米国側より統制や管理を受けるようなことはありません

【解説】 

※自由裁量で使える資金という意味。米国から支援を受けるが、使用用途に関しては、特に限定されない。

 

さらにまた、この援助資金の経理方法でありますが、援助資金五千万ドルのうち贈与を受ける一千万ドル、すなわち三十六億円は木特別会計で日本側で処理いたしまするが、四千万ドルについては、

 

はつきり日本銀行アメリカの口座を設け処理いたすことになつておるのであります、これは主として域外買付その他に使われることになつておる旨の答弁が政府よりあつたのであります。

 

※隔離されて保管される資金


 その他、MSAに関連いたしまして、軍事顧問団との関係、あるいは投資保証問題、在外資産返還の問題、MSAと海外出兵問題、MSAと経済援助との関係等についても質疑がございましたが、それらの詳細は会議録に譲ることといたします。
 このようにいたしまして、質疑は十四日終了し、十五日討論採決に入りましたが、政府原案通り多数をもつて可決せられた次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(堤康次郎君) これより討論に入ります。山花秀雄君。
    〔山花秀雄君登壇〕
山花秀雄 私は、日本社会党を代表して、ただいま予算委員長より報告があり、議題となりました昭和二十九年度特別会計予算補正(特第1号)に対して反対の意思を表明するものであります。(拍手)
 私は、討論に先だち、一言国民の総意を代表して申し述べたきことがございます。
 吉田内閣は、戦勝国のわが国占領支配中より独立の今日に至るまで引続き政局を担当し、五回にわたる組閣にも成功した、わが国国会始まつて以来珍しくも長期政権担当の歴史を築いた内閣であります。しかしながら、占領支配下にある期間中は、吉田内閣の独自の政策はおそらく行い得なかつたでありましよう。ゆえに、この間における吉田内閣の業績の成否に関する批判はあえていたしません。だが、講和条約発効後の吉田内閣の今日に至るまでの業績を端的に表現すれば、まつたく占領ぼけし、自主独立の観念に乏しく、日本人と日本国の立場にあつて独自の政策を断行する気魄に欠け、事ごとに米国の鼻息をうかがい、いずれの国のための政治を行つているかの疑惑の念を多くの国民大衆に与えているのが現吉田内閣の実態であります。(拍手)
 われわれは、いたずらに政権の長きをもつて吉田内閣をたたえることはできません。その行う政策が、国民生活を向上させ、日本の独立と自由を守り、平和国家、文化国家として再起発展の実効をあげているかいなやで吉田内閣の功罪を論ずるものであります。吉田内閣の最近の業績は、国民生活を無視し、自由党あつて日本国あるを忘れたるがごとく党利党略に流れ、その失政は国民怨嗟の的になつておるのであります。特に、その失政の累積の結果は、汚職を生み、疑獄を生み、わが国政治史上にぬぐうことのできない汚点を加えたことは、何人といえども否定することのできない吉田内閣の醜悪きわまりない姿であります。(拍手)このような内閣が綱紀粛正を説き、国民に耐乏生活を要求するがごときは、まことに僭越しごくのさたと言わざるを得ないのであります。(拍手)
 さきに、わが国の経済、財政を破綻に陥れるような二十九年度予算の審議を本院にゆだね、さらに二十八年度第三次予算補正の審議をゆだね、今またここに、わが国を売るがごとき結果を招来する運命を持つ、すなわちMSA予算たる二十九年度特別会計予算補正(特第1号)の審議を本院にゆだねられたのでありますが、私は、汚職と疑獄に包まれ、民心まつたく離反した現吉田内閣のもとでこの重大なるMSA協定に基く予算補正案を審議する立場に置かれましたことを、心ある国民諸君とともに悲しむものであります。(拍手)
 小笠原大蔵大臣は、特別会計予算補正の説明に際し、この特別会計の資金は、米国からの贈与による受入金三十六億円及び資金の運用による収益金約三千三百万円等をもつて充て、これをわが国工業力の強化に資するよう投融資することといたしたのでありますと説明されておるのであります。また岡崎外務大臣は、去る三月十七日の外務、内閣、農林、通産の連合審査委員会において、MSA援助に基く麦類買入れ協定に関して、この協定を結ぶにあたりまして農林関係と十分協議をいたしました、すなわち、国内の農業を圧迫しないよう、価格等の点においては国際小麦協定の価格と同様の価格で、つまり廉価で輸入できる、こういう点について有利であろうと思つて結んだのであります、また、このMSAの協定の基礎になりますアメリカ側の方針と申しますか、法律及び予算から申しまして、これは工業に使う、及びこれに関連産業はありますが、しかし、それにしましても、三十六億円の贈与を受けて、これを工業方面に使い得れば、それだけ日本全般の経済、特に工業方面が潤うのでありますから、経済的にも有利である、こう考えまして協定を結んだのであります、と説明及び答弁をされているのであります。
 吉田内閣は、大蔵大臣、外務大臣を先頭に立てて、これを唯一の経済援助であると大々的に宣伝しているのであります。
 米国より贈与を受ける三十六億円の資金は、MSA協定による余剰農産物援助の麦類買入れ価格の二割に相当する金額でありますが、この麦類買入れ価格は、運賃、諸掛り等を入れて、日本着トン当り八十ドルと予算化されているのでありますが、この価格はCIF価格に比べて非常に割高になつておるのであります。価格の割高は事実明白であります。これを、価格の点については国際小麦協定の価格と同様の価格で、つまり廉価で輸入できる、こういう点について有利であろうと思つて結んだという岡崎外務大臣の頭脳がどの程度のものであるかは、この一言によつても、われわれははつきり知ることができるのであります。(拍手)時局多難な外交問題を担当する能力なしと私どもは断定してさしつかえないと思うのであります。(拍手)
 伝えられるところ、米国においては、本年度農産物は近来まれにみる豊作であります。いわゆる余剰農産物であります。余剰農産物とは、読んでその文字が示す通り、場合によつてはその国においてはもてあましているものであります。いかにMSA協定とはいいながら、相手国のもてあましている食糧を、何を好んでCIF価格を上まわる価格で購入しなければならないかということを私どもは申し上げたいのであります。しかも、贈与されたる三十六億円は、これを工業に使う、関連産業がありますと、岡崎外務大臣はまことにまわりくどい説明をされておるのであります。要は、アメリカの要求に応ずるひもつき援助であり、兵器生産拡大のための援助であることは明白な事実であります。現在の日本は、兵器産業が殷賑隆盛をきわめればきわめるほど、およそ経済自立とは縁遠い方向に進むことは、識者の一致した意見であります。私は、端的に申し上げますと、このようなMSA協定に基く麦類買入れ価格の割りもどし援助は、要するに米国の軍事支配をわが国に及ぼす恐るべき意図が内包されておる、この見解から、日本の独立と自由確保のために、この協定に基いて生じた援助を予算化したこの予算案には反対をするものであります。(拍手)
 最後に一言いたしたいことは、二十八年度予算が第三次補正を行いましてもなお多くの未処理問題を残しておるのと同様に、二十九年度予算も、ここに特別会計ではありますが補正(特第1号)を提出されて参りました。なお、今後二十八年度予算のもろもろの矛盾が必然に二十九年度予算にしわ寄せされ、吉田総理を初め小笠原大蔵大臣及び全閣僚が言明ざれました一兆円以内の予算方針がくずれることは、火を見るよりも明らかな事実であります。いずれ、そのときに、政府の無定見なる財政、経済、外交その他の方針について、その政治的責任を追究いたしたいと存じますが、しかし、そのときを待つまでもなく、お気の毒ながら、吉田内閣は疑獄と汚職のうずの中で早晩姿を没しようとしておるのであります。(拍手)私どものこの反対演説は吉田内閣に対するお弔いの言葉であるということを知つていただきたいと思うのであります。(拍手)まことに政治的好敵手を失つて残念な次第でありますが、日本国民の幸福のため、これまたやむを得ないと私どもは考えたいのであります。私は、その日の早晩来ることを確信し、委員長報告に反対し、日本社会党を代表する私の討論を終るものであります。(拍手)
○議長(堤康次郎君) 中村時雄君。
    〔中村時雄君登壇〕
○中村時雄君 私は、日本社会党を代表いたしまして、以下、政府提出によるMSAの昭和二十九年度特別会計予算補正(特第1号)に対しまして反対する趣旨を明らかにせんとするものであります。(拍手)
 この経済援助資金は、言うまでもなく、MSA協定に基くところの米国側よりの援助提供義務の一つとしてわが国に与えられたものであります。この援助の前提となるMSAそのものについてわれわれはすでに反対を表明して、その論拠を平和憲法擁護の立場に求め、政治、経済、外交、防衛等、各分野にわたつて政府を追究したのでありますが、政府はわれわれに対して合理的回答を与える能力をまつたく欠き、国民の前に全閣僚の無能を明らかにしたのみであつたのであります。(拍手)しかも、政府は、単なる与党勢力の多数を頼みとしてMSA協定の通過をはかつたのであります。
 われわれがこの経済援助に反対する理由は、まず第一に、その前提となるMSAそのものに反対するのでありますけれども、しかし、それのみではなく、この経済援助そのものに内包されるところの日本経済に与える甚大なる悪影響にかんがみましても、われわれはこれに反対をせざるを得ないのであります。(拍手)すなわち、この経済援助は、いわゆるMSA小麦輸入の円資金五千万ドルのうち二〇%を日本政府に贈与されるものでありますが、MSA小麦の輸入は、輸入価格の点について見ましても、先ほど山花氏の言つたように割高となるばかりか、見のがし得ないことは、国内農業に与える悪影響なのでございます。政府はすでに昭和二十九年度予算において食糧増産費を大幅に削限していますが、この輸入小麦の圧迫によつて、小麦の作付面積は次第に減少せざるを得ない状態に追い込まれるのであろうということは、火を見るよりも明らかなのでございます。(拍手)従つて、MSA小麦の輸入は、わが国の農業生産力の停滞に大きな拍車をかけ、悪影響を与えるものであり、われわれはこれに対し断固反対をせざるを得ないのであります。(拍手)
 しかも、政府は、予算委員会において、この小麦の影響はないと、このように答弁をされていらつしやいますが、しかし、当初このMSA小麦輸入価格は市場最高価格であつたのでございます。それが、途中におきまして、このカナダの農産物価格の影響を受け、ここに初めて国際小麦協定並となつたものでございます。ところが、これをもう一歩深く、われわれは見のがしてはならないところがあるのであります。なぜなれば、このカナダの農産物価格と対比してみた場合に、CIFのみをとつてみましても、大麦、小麦は約八十ドルになつております。ところが、カナダにおいてこのCIFで見ますと、大麦が七十三ドル、小麦が七十七ドルとなつているのであります。すなわち、これは完全なる割高となつて日本に入つて来るということなのでございます。(拍手)
 しかも、委員長の報告には、これは何の影響もないとおつしやいますけれども、現在、昨年、一昨年を通じまして、小麦の輸入が約二百万トンでございます。そのうちアメリカより大体百万トンを購入しておりますが、この上に五十万トンのMSA小麦を受入れるとするなれば、残りの五十万トンに対し、各、たとえばカナダとかあるいはアルゼンチンとか、大きな問題がここに起つて来るのでございます。しかも、この協定の第三条には、「この協定に従つて取得されるべき商品の購入及び利用は、アメリカ合衆国又は他の友好国の通常の市場取引を排除し、又はこれに代替してはならないものと了解される。」このように書いてあるのでございます。しかるにをの内容を見た場合に、今言つた五十万トンをMSAによつて受入れるとするなれば、少くともこの問題が他の市場に大きな影響を与えることは火を見るよりも明らかなのでございます。
 さらに考えられることは、この五十万トンのうち二分の一は米船を使用することになつております。ところが、昨年の秋、この米船はどの程度の使用料をとつておるかといいますと、トン当り約六ドル四十セントなのでございます。ところが、現在は幾らかといいますと、七ドル七十五セントから八十五セントになつておる。このことは、アメリカのC・アンド・Fにおいて自分たちの運輸業界の援助を求めることになり、事実これが小麦に加算されるとするなれば、少くとも小麦協定以上の値段になることは当然のことなのでございます。(拍手)
 次に、このようなわが国農業の犠牲をしいるMSA小麦の輸入代金の二割、すなわち一千万ドルをもつてわが国の工業を軍事化し、米国軍需産業と同一規格に従属させようとするのが、この特別会計による経済援助なのでございます。そこで、この経済援助の支出使途は工業力の強化に限られております。しかも、この工業力たるや、兵器、特需、保安庁需要のごとき軍需産業が中心であり、これらの産業に対してコマーシヤル・ベースに乗つた融資として支出されるのでございます。昭和二十九年の日本経済が直面している未曽有の経済危機を防止するために、政府みずからも緊縮財政の必要性を認めながら、保安庁費のみは百九十九億八千九百万円の増額を敢行したと同様に、政府は、みずから産業生産水準の横ばいが必要であると称しながら、防衛産業に関してはMSAの線に沿つて膨脹を敢行せんとしているのであります。
 しかも、防衛産業の膨脹たるや、日平産業のごとき、企業の採算性を無視して、ひたすら時の権力と結びつくことによつてのみ経営の持続をはからんとする投機的経営の時より、日平産業の技術力を住友金属が吸収合併せんとするがごとく、旧財閥の大資本経営が乗り出す時期に入らんとしているのであります。このための呼び水としての役割を持つた三十六億円であることは明白な事実であります。(拍手)この事実こそは、MSAを通じ、アメリカ資本主義の擁護としての間接的てこ入れの第一歩であることは何人も認めざるを得ないのでございます。(拍手)また、反面、この援助の意味するものは、日本の主要経営体の方向転換であり、わが国産業の軍事化なのでございます。われわれが乏しい財政資金の中から六百五十億円の財政投資を行つている民間産業は、わずかにこの三十六億円程度の米国の援助資金によつて軍事的色彩の濃厚なるものに塗りつぶされんとしているのでございます。このようなアメリカ資本主義擁護の一環として、また兵力増強の基礎としての危険性を持つこの特別会計には、最も強く反対をするものであります。
 次に、われわれは、このようなMSAにつながる小麦輸入や防衛産業強化が、政府の称するがごとく、当面する外貨減少の危機を救う方策であるとは断じて見ないのであります。一方には農業生産力の停滞、他方には工業力の軍事化、この二本建の経済転換がMSAを契機として進展して行けば、わが国の経済は、自立経済どころか、ますます米国への従属化を深めて行くことは明らかなことなのでございます。(拍手)昭和二十九年のわが国経済は、円価値の維持のため、あらゆる努力を捧げて経済の自主性を守り抜かなければならないときにあつて、経済自主性の基本線である農業生産力と工業生産力とを米国の支配にゆだねるがごときMSA援助を受入れれば、わが国の為替レート三百六十円のごときも、ワシントンの電報一本で変更される危険性があるのであります。このような援助の基礎こそは、ちようど野球にたとえてみますれば、一塁を陥れ、一塁から二塁をとり、二塁から三塁を陥れ、最後に本塁を陥れるのが国際政治における強国対弱国の関係であることを、深くわれわれは認識せねばならぬ。民族の独立からいいましても、このような援助に対し、われわれはあくまでも反対の意思を表明する次第でございます。
 最後に、政府のありがたがつているこの経済援助とは、実体は援助ではなくて、それは日本の運命をアメリカの世界政策に従属させることであり、そこから必的然に起つて来るであろう義務づけなり、あるいは要請事項等の役割を日本が背負おされることであろうと思うのでございます。政府は、もし一兆予算の耐乏生活を要求するからには、西独のごとく、あるいは英国のごとく、国民が自主的な希望を持つて喜んで協力するような指導が必要であり、そのためには、計画的な再建政策を立てて、国民が何年耐乏して努力すれば生活水準がどれほど向上し、どれだけゆたかになるかの目標を与えなければならないと思うのでございます。しかるに、このような援助資金といわれる晴型的な経済再建の中には真の自立経済の希望はあり得ないのであり、政府提出のこの特別会計補正案は、以上申し述べました理由によつて、日本経済をしてかような自主性喪失の道に進めしめるがゆえに、われわれは断固として反対し、討論を終る次第でございます。(拍手)
○議長(堤康次郎君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本件の委員長の報告は可決であります。本件を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(堤康次郎君) 起立多数。よつて本件は委員長報告の通り可決いたしました。

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