世界の金融の基本は、信用創造によって現金が作られる時代になっても、基本的には、金ドル本位制度の延長線上であることが言えます。
すなわち、世界の金融を中心で支えている存在は、1944年ブレドンウッズ体制によりドルのみが唯一、金と交換できる通貨であると決め、基軸通貨になりました。
それを実現するには、米国の連邦準備銀行は世界最大の金保有国になる必要があったといます。そのために世界中の金を集めることになったのです。第二次世界大戦で敗戦後、日本は、大量の保有金を放棄することで、サンフランシスコ講和条約に調印して、国土復帰ができました。
世界中で米国に集められた金は、連邦準備銀行によって保管され、米国は敵性資産として法的管理をしたのちに、イングランド銀行に信託して、第二次世界大戦後の復興財源としました。これがMSA(相互安全保証法)です。
日本の持っていた金の量が突出して多く存在していました。
世界中のゴールドの資産をイングランド銀行に信託することで、資金を作ることをしましたが、日本の保有割合は、世界全体の59%は、日本のものであったということです。
イングランド銀行に信託された世界各国のゴールドは、世界の中央銀行が通貨を発行する裏付けになっているということです。
世界の中で数カ国の国を除き、大多数の中央銀行が、イングランド銀行に信託されたゴールドにより生み出された資金を担保として中央銀行が、現地通貨を発行していることになります。
聞くところによると、世界の94%の中央銀行の資金は、イングランド銀行に信託されたゴールドをもとに作られた資金を担保に、現地通貨を発行しているということです。
日本は、そのイングランド銀行に信託した財源の59%は、もともと日本のものであったということで、日本は全世界の通貨を発行する上での財源の過半数以上は、日本の金資産を活用して世界中の中央銀行が現地通貨を発行していることになります。
よって、日本円の凄さは、世界でナンバーワンの裏付けをもった銀行券となります。
世界の中央銀行の中心となるのは、イングランド銀行に信託された米国連邦準備銀行に保管された世界中の金資産です。
よって、イングランド銀行に信託された世界最大のトラストが、世界の中央銀行を支えている資本を提供していると言えます。
育成資金について、調べていけば調べるほど、世界的金融機関が関係していることに気付いてきます。
すなわち、1944年、ブレトンウッズ体制そして、1951年サンフランシスコ講和条約と、これは、現在における世界の金融の基礎を作った出来事であったと言えます。
なぜ、このような仕組みになったのかを考えてみたいと思います。通貨というのは、何をするために必要かといえば、モノやサービスとの交換をするものとして通貨が必要になります。狭い地域での通貨の交換をするには、その地域としての通貨の価値を保つことができるなにか裏付けがあればいいのですが、世界の自由貿易の拡大ということを考えたときに、何種類も基軸になる通貨があると、正直決済するのが難しくなります。ある意味、世界統一通貨があれば、通貨の価値を保つことができて、その通貨お裏付ける金も一箇所に集めてしまえば、競争することもなく、通貨の価値を保全することができる言えます。
世界中で国際決済をできる共通通貨をつくらなければ、自由貿易の発展に妨げになると考えたわけです。そこで、世界の金を一箇所に集める必要がでてきたのです。連邦準備制度で米国が、ブレトンウッズ体制で世界の貿易決済をする上で、唯一、米ドルのみが、金と交換できる通貨であり、国際決済通貨として、価値をなすということで、宣言したのです。
その後、各国は、ドルペック制度によって、自国通貨を発行するようになりました。ブレドンウッズ体制直後の世界は、固定相場による自国通貨の発行をしていました。日本は、1ドル=360円と決めて、ドルと交換をして貿易をしていました。
しかし、1971年、ニクソンショックにより金ドル本位制度の崩壊をして、変動相場に切り替わっていきました。国家における生産性が高いことは、通貨の価値を保てるという理論で、変動相場になり、外貨を持つことで、通貨価値の保全をすることができます。外貨保有高のうち10%は、ゴールドで保管することを理想とするという規定もつくり、現在の変動相場による通貨制度が生まれました。
しかし、変動相場になったからと言っても、本来の金を担保とする基本的考えは存在しており、連邦準備制度によって、管理されイングランド銀行に信託され運用された資金は、世界の中央銀行に送金され、通貨を発行するために裏付けとして世界中の中央銀行を支えていることになります。
すなわち、連邦準備制度に管理されて、イングランド銀行に信託された運用資産がなければ、どの国の中央銀行も、通貨を発行するための裏付けがなく、通貨の発行量自由に増やすことが出来ないと言えます。
この規制がバーゼルⅠⅡⅢと言われる自己資本率8%以上の壁です。
日本は幸いにして、世界の過半数以上の中央銀行が通貨を発行するための裏付けになる運用資産をもっていることで、日本国が利用する分以外にも、他国の中央銀行にも資金援助をする形で支援しているということです。
一般的には、見えない金融外交の部分では、日本は尊敬される国家であると言えます。
このことは、ほとんどの日本人が知らない国際金融における日本の凄さといえます。