企業育成資金も今年から新制度になりました。これは、FRBによるPPP運用をベースとした資金提供になります。PPP運用とは、私募プログラムのことで、プライマリーバンクにおける銀行券における中期割引債のトレードによる運用というふうに言われています。ただ、クローズされた環境でFRBのライセンスをもったトレーダーのみが行える作業になりますので、公開市場での運用ではありません。
この制度については、米国では、1930年代からPPP運用がスタートしており、100年近い歴史があります。PPPについて考案したのが、貨幣論を書いたイギリスのケンブリッジ出身のケインズによって提唱された資金の生み出し方です。これが、現在における世界の通貨発行権における資金の生み出し方の手法になっています。
すなわち、PPP運用に参加できる立場の民間人がその人の持っている価値によって資金を生み出し、その資金を市場で普及させることが、資本主義社会の発展のための借金の伴わない資金の流通の手段になっています。
このことは、学校では教えてくれませんが、世界経済の発展を知る上で非常に重要なこともなります。この制度を知らずして、日本経済の発展はありえません。
そのPPP運用により資金調達を支援しているのが、企業育成資金の主催者である資金本部ということになります。これは、日本に一箇所だけ存在しています。
PPP運用に関するところは、すべてFRBのライセンスが必要になっていますので、誰でもできるということではありません。確かに、日本以外の国にはありますか?という疑問が出てくるかと思いますが、日本以外にもFRBのライセンスともったトレーダーは、存在します。
しかし、日本の資金本部が重要な役目を果たしているのは、一番の理由は、日本への送金問題がないということです。確かに、海外のプライベートバンクなどを経由してPPP運用の話があるかもしれませんが、日本に送金しようと思えば、送金規制がいろいろありますので、送金が難しく、結局は、キャピタルゲインに非課税地域であるタックスヘイブンの銀行口座に送金をすることになりますので、資金は、日本では自由に使えるものにならないと言えます。これは、個人的に金持ちになりたいということであれば、関係ない話かもしれません。しかし、日本で事業をするために、日本経済の発展に寄与する。また、日本の社会貢献をしたいという観点から見れば、この資金が日本で使えなければ意味がないことが言えます。
日本の企業育成資金の仕組みは、日本人の大企業経営者が日本国内で資金を問題なく使える仕組みを構築している部分が非常に重要なポイントになります。
特殊運用の世界を知るには、世界がどうなっていて、日本がどうなっているかを知ることで、どこにメリットがあって、どこにデメリットがあるか理解できます。
ある意味、日本の企業育成資金の仕組みは、日本企業経営者がPPP運用とベースに資金調達した資金を日本国内で問題なく使える仕組みを構築しているということが、素晴らしい点です。
海外で特殊運用をして巨額な資金をもっていても、タックスヘイブン地域の銀行口座に資金があったとしても、日本に送金できずに悩んでいる人はいます。すなわち、海外で巨額なキャピタルゲインを出しても、日本にお送金した時点で、この資金は、どんなお金か?など資金について非常に細かく確認されます。日本への海外送金で、3000万円を超える送金は、国税庁の許可も必要ということもありますので、実際には、多額な送金は困難ですから、日本へ投資は無理ということが言えます。
そのようなことを考えても、問題なく日本で使える資金ということが素晴らしい点と言えるのです。