現在、日本の基幹産業が非常に危機状態になってきているという。鉄鋼などを中心に、廃炉が進み、また環境適応できない古い設備では、二酸化炭素排出量の問題に対応できず、日本の基幹産業の衰退が止まらない現実が直面しているが、資金不足のために大きい投資できず、今後の日本の基幹産業は非常に厳しい状況になることが予想できる。カーボンニュートラルという新しい産業モデル対応するには、巨額な投資が必要になる。特に鉄鋼や電力などの二酸化炭素排出量の多い産業は、世界の時流に合わすには多額な投資が必要になる。しかし、現在の経営状況は、赤字で厳しい状況が続いている。さて、この問題を何とかするには、資金を如何に調達するかが、課題になるが、兆を超える多額投資をする企業体力もなく、政府支援を求めて、政府も財政が厳しい状況で、兆を超える支援金を出すことはむずかしい状況になっている。
最後の手段になるのだが、中央銀行が中心に支援モデルをつくっている企業育成資金の活用することが重要である。
企業育成資金は、中央銀行の運用モデルを使って資金を運用したものを日本の産業支援のために活用するモデルである。すなわち、この運用モデルを中央銀行が行っていなければ、この企業育成資金も存在しないことになる。
この資金については、歴史的な戦後間もないころの話を強調して話されるケースが多いが、それは、きっかけはそうであっても、現在はどうなっているか?
それは、中央銀行が運用モデルを行って、中央銀行が日本の基幹産業、製造業、また、中央銀行と関係のある銀行、信用金庫の経営者に対して給付金を出す制度だということを考えれば、非常にわかりやすい話である。
中央銀行というのは、銀行、信用金庫などに対して当座預金を預かることをしている。同時に資金調達の要求があれば、資金の貸し出しも行っている。すなわち、中央銀行というのは、銀行、信金に対する銀行業務を行っている親の銀行となる。
中央銀行は、上場株式の投資信託を行っている。中央銀行は、金融商品のみ購入できる世界的ルールになっている。政府が国債を発行して、それを中央銀行が買取、そして、中央銀行がお金を発行して、政府の資金調達を支援する。
また、東証企業の株を信託投資する。これは、政府にとっての借金は、中央銀行にとっての資産になるわけですから、中央銀行は、その資産をもとに、東証企業への投資信託を購入している。今株価の高騰を招いているのは、中央銀行が多額に上場株式の投資信託を購入していることも大きく影響している。これは、政府が巨額借金をしていることで、中央銀行の資産が増えていることに対して、上場株式の投資信託を行っていると言えるだろう。
すなわち、日本の経済を支えているのは、政府の借金を積極的にすすめることで、株式市場に資金投入しているということが言える。それでは、本当の意味での出口戦略がなくなってくる。
すなわち、これは、借金による資金投入、あとは、政府保証という裏付けによる株式市場を買い支えているということになる。
国債を発行しているということは、すなわち、国債を償還する時期が必ず訪れる。それをどうにかするには、国民負担の増大をお願いする以外、政府として方法がないという考え方は、正しい。政府保証というのは、政府が自らの財源をもって、借金を返済することを意味する。政府にとっての収入は、税収と国有財産の売却というのが、表向きの収入になる。
これでは、中央銀行と政府との関係でなんとか、現状を、保持していますが、プライマリーバランスを改善する目標等と話していますが、これは、中央銀行からクレジットとしての資金の調達をしているだけで、いつか、銀行に返済しなければいけない資金である。その状況が、長年続いていること、すなわち、クレジットとしての資金だけが市場に流通していることが、日本のデフレを解消できない原因になっている。
それを打破するには、中央銀行システムが行っている給付金制度である「企業育成資金」を活用する以外、方法がない。
中央銀行は、表向きには、普通の銀行業務とおなじ資金を預かる。資金の貸し出し業務を行っている。これは、法人取引上での話、しかし、企業育成資金の資金本部を経由すれば、中央銀行で通貨を発行して、中央銀行と関係がある銀行、信用金庫、また、上場企業の経営者個人に対して給付金の制度がある。
これを見ればわかるが、中央銀行のみ、通貨を発行する権利がある。なぜ、中央銀行には、絶対負けない投資といわれるPPP(プライベート プレースメント プログラム)という投資案件があるのか?理由は、これは、中央銀行がお金を発行するにあたり、すべてがクレジット(借金)としてお金を発行していれば、償還期間が設定されており、資金は、一時期は流通するが、しばらくすれば、回収されるので、市場にお金が流通しなくなる。よって、中央銀行に返還しないでいいお金を流通させる必要がある。キャッシュマネーの流通である。キャッスマネーの流通をするにあたり、法人では中央銀行と直接、間接的に取引をする企業の経営者個人を支援することで、その資金を活用して流通することで、市場に資金を残す作業をしていると考えると、理解できるだろう。
すなわち、企業育成資金というのは、中央銀行へ回収する必要のない資金を市場に流通させる案件と考えればいいのである。
中央銀行が、すべての通貨を発行する業務を、貸し出しをして返還する必要があれば、市場に資金がマトモに流通できなくなる。また、国も豊かにならない。国の借金も解消することができない。
日銀法という中央銀行についての法律が有るが、日銀法を一通り読むことで理解できる部分があるかもしれない。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=409AC0000000089
通常業務とは違う業務もできる制度もあることに気付くだろう。
さて、そのへんの話は、相当マニアックな話であるので、この辺にしておくが、企業育成資金というのは、中央銀行が借金でない資金を市場投入するための案件であるという結論になる。
よって、同じ窓口を通じて、募集はしていないということになる。しかし、日本の東証一部企業の経営者、銀行、信用金庫の経営者は、この中央銀行の仕組みに全く気付いていない。
お金について、日本は、学校では全く教えてくれない。毎日使っているお金であるが、この部分の教育が非常に欠如している。筆者もこの制度に関心をもたなければ、中央銀行が関係して行う特殊金融の世界など興味を持つことなかっただろう。知らないので怪しいのでなく、しっかり勉強してほしいものである。
教える人もいないので仕方ないのですが、金融は仕組みと数学である。ビジネスモデルのフローがあり、それに対して数字があるだけの世界。感覚ではないのである。日本の構造的不況をなんとかするには、中央銀行の金融システムがどうなっているかを真剣に考える必要がある。この世で通貨を発行できるのは中央銀行のみである。
日本の未来をつくるのは、日本の経済人が中央銀行の金融システムを理解することで私達の国を世界で一番輝かせることができる国としての改革できるのではないかと筆者は考えている。