バブル崩壊と失われた30年の正体・・・それを語る上で、重要な出来事があった。
「BIS規制(バーゼル合意)は、1988年7月G10で合意された。国際業務を行う銀行が国際統一基準によって定められた自己資本比率(8%)を満たせない場合は、国際業務を出来なくする規制。」
バブル崩壊、日本経済の停滞は、経済の発展は、頂点を極めれば必ず崩壊に向かう。また、生産性の低下が、日本の経済を悪化させた・・・など、なんとなく見た目上の判断だけで、失われた30年は、今の労働者世代が努力足らないから、ダメダメだ! という評価になっている。
その世代を生きる者にとっては、腹立たしい評価である。では、実際にはどういうことだろうか?バブル崩壊の原因になったこは、国際的金融ルールが大きく変化したことに影響している。すなわち、日本の銀行システムでは、本来、自己資本率が3%から4%で推移して、銀行が金を貸し出していた。そのため、市場に流通する通貨は、非常に多かった。しかし、BIS規制に日本が同意したのちに、バブル崩壊になる。国際業務を行う銀行が自己資本率を8%以上にしなければ、業務停止を余儀なくされるという事態に、貸し出していた資金の突然の回収が始まる。
このインパクトは大きかった。すなわち、自己資本率が3%~4%で推移していた日本の銀行の自己資本率が、突然、8%以上すると言えば、貸し出していた資金を全体から見て、半分以下、それ以上、3分の1くらいまで圧縮しなければ、国際金融業務を行えなくなるという事態になった。そのため、一気に資金回収に走り、同時に、資金の貸し渋りを行った。その波に乗れなかった金融機関は、破綻に追い込まれた。そのことが原因して、日本は失われた30年のきっかけになった。未だに、国際金融機関の自己資本率8%という縛りで傷ついた日本の精神は、立ち直れていないといえるのではないだろうか?
ある意味、日本にはMSA資金があるから、回避する方法あるのだから、それを活用すれば、自己資本率も問題なく獲得できるのではないかということ考えたのかも知れない。
経済活動の根本は、国際的銀行システムに大きく関係してくる。すなわち、通貨は、世界的銀行システムによって、作られているからである。
日本は、通貨発行権であるMSA資金の活用することが、国際的銀行システムにおける借金を伴わないで資金を作れる手段である。
よって、この制度の重要性を訴えている。